市原市合唱連盟主催の合唱講習会開催

 市原市合唱連盟主催の合唱講習会が2019年3月5日(火)市原市青少年会館で実施されました。グリークラブからは鈴木団長はじめ5名が参加しました。講習会の講師は新進気鋭のバリトン歌手加来徹氏です。加来氏は市原市楽友協会の年末コンサートには10年前から出演している方で、最初の頃は東京芸術大学の声楽科の修士課程の学生でしたが、今や将来を宿望されている若手声楽家で、現在はソリストとして多数のオペラにも出演されています。中肉中背ではありますがイケメンと評判で、このうわさが合唱講習会を、近年にはない200人を超える参加者となり青少年会館大会議室は満席の状態でした。


 合唱指導は佐藤眞作曲の組曲「旅」の最終7章「行こう ふたたび」で行われました。各合唱団ともにある程度の事前練習してきていたようで初めから内容の濃い指導を受けることができました。加来氏の指導の要点は


 1.高音の初音を的確に出すためには、ある程度の発声のレベルを用意しながら、そこからさらに一段高いレベルにスイッチを入れるような2段階の発声方法をする。

 2.高音から始まり下がっていく発声練習は男声に多い”しゃくり”をなくす練習になる。

 3.あごの軸となる頬骨より下は力を抜いて発声する、もちろん喉は大きく開放して楽に発声する。この状態では何時間歌っても疲れない。むしろお話をしているほうが疲れを感じると言っていました。

 4.曲を継なぐ意識が重要で、小節から次に続くメロデイを意識しながら歌う。そのためには強弱記号やクレッシェンド、デクレッシェンドなどの記号を理解すると同時にブレスの取り方を考える。ブレスはいつも思いっきり取る必要はない。状況に応じて取れるように訓練する。

 5.歌うときの表情が重要でもっと明るく楽しく歌うことが伸びやかな声を出すことができる。皆さんの表情は硬いです。リラックスしてください。

 6.楽譜は見ていいが、顔が下がると喉を締め付けるので水平を保つこと。もちろん歌うときの姿勢はもっと大切です。

 7.日本語は外国語に比べてアクセントがない言葉ですから、一語一語はっきりと発音すること、特にSa,Shi,Tsu,Chiなどの発音をしっかり、i は軽く口元が横一文字の強い i は汚い発音になってしまう。


 などの指導は言葉は変えてはいるが、日ごろから山本先生が指導してくれていることと変わるところはないと思いました。


 最後にミニコンサートがあり、滝廉太郎の「荒城の月」、ビゼー作曲 オペラ「カルメン」から「闘牛士の歌」が演奏されました。会場全体が唸るような迫力のバリトンが響き渡り大喝采のうちに合唱講習会は終了しました。


 こんなに参加者が多く参加者の熱気が感じられるいい講習会でした。市原の合唱連盟の活動に対して大きな期待を感じさせてくれました。

                          バス:桐田勝夫