2019年 初練習で思うこと

 2019年明けて初めての練習は緊張感のあるいい練習でした。年末のクリスマスコンサートの反省から飛び交ったメールでの音楽の技術論、取り組み姿勢、組織論等は、市原グリークラブに新しい風を起こしてくれたように思います。


 グリーのメンバーはもとより論議に加わわらなかった山本先生もメールを読んでくれていたことが分かりうれしかったです。


 午後1時から5時までの4時間の練習は熟年メンバーにはきついものでしたが、メンバーのやる気が満ち溢れた歌声は以前のグリーのハーモニーの復活ののろしを感じさせてくれました。

 椅子に座って足を組んで歌うことを厳しく諫めた先生の指導に今まではなかったもので、合唱の指導も今まであいまいだった問題の発生源を特定したものも多く、これがある種の緊張感につながったと思っています。今までの先生の指導は発生源を明確にせず、まともに音を出している人にとっては何か物足りなさを感じさせるものだったかもしれません。しかし今日の指導はすこし変わっていると思いました。パート練習も多くそれは私が望んでいたものでした。先生は年齢層が高いグリーに配慮して、指導が甘くなっていたというのは正しくないにせよ、どこかしら優しくなっていたように思っていました。


 音楽的な厳しさは変わっていませんでしたが、音楽に取り組む姿勢や団の目指すところに対してはあまり強く言ってきませんでした。また、昨年のJ-POPのピアノ伴奏による男声合唱を合唱祭で披露して以来、先生の無伴奏のアカペラの男声合唱に対する想いを知ることができる発言が多くなってきたように思います。マンドリーノコスモスの演奏会出演に対する先生の思いも伝わってきました。このようなこともあって昨日の練習は今までにない充実したものになったような気がします。


 愛唱歌、“いざ立て戦人よ”、“白百合”に始まる合唱指導は新鮮で団員の心を揺さぶり、見る見るうちにいいハーモニーを作り上げていきました。先生は昨年暮れのクリスマスコンサートに触れ、決して悪い演奏ではなかった、落胆どころかよく頑張ったと言ってくれました。ほんのちょっと直せばよくなると楽観的な言葉で勇気づけてくれました。そして始まった”Kyrie”の練習でそれを示してくれました。クリスマスコンサートで感じたあの重い不快感の残るハーモニーは消え、先生の短時間の指導で見る間に美しいハーモニーに蘇ったではありませんか。ここでテノールが下がる、内声が少し高い、バスが音が取れていない、など辛口の指摘のあとでパート練習、いつもとは違う気迫が溢れる緊張感のある練習でした。Kyrieがハモった時の気持ちのいいとこと、、、、クリスマスコンサートでのリベンジを誓った一瞬でした。


 我々は団員の高齢化という大きな問題を抱えています。声が出にくくなる、体力的に練習がきつくなるなどはもちろんのこと、次世代を支える若い団員の不足など、歌うだけではない問題があります。この問題を解決していくためには我々団員が心を一つにして取り組んでいかなければなりません。そのためには無伴奏アカペラに拘ってばかりいられない事情があります。先生が言われるようにピアノ伴奏で歌っているとピアノ伴奏に頼ってしまうのはよくないのは分かっていますが、J-POPのような若い歌に挑戦することで新しい風を起こして、そのお陰でグリーの原点を見つめ直すいい機会を得ることができたように思います。最近のメールの交換を見ていてグリーの再生復活に向けて意識が大いに高まったのではないでしょうか。私もグリーに入って27年、初めての経験です。なんとかこの素晴らしいグリークラブを次世代につないでいきたいと真剣に思うようになってきました。ですからすべてを受け入れていいことなら積極的に取り入れ挑戦したいと思ってきました。


 先週の土曜日マンドリーノコスモスへの有志の賛助出演などは、マンドリーノコスモスのステージを盛り上げるだけでなく、大ホールに集まった700人のコスモスのファンの中にいるかもしれない、潜在的グリーの新入団団員に語りかける大きなチャンスをいただいたものと思っています。出演するからにはグリーの恥とならないように事前練習を重ねいい演奏を心がけました。グリーの名を語るのは如何なものかという意見があるのは知っていますが、それでは意味がないのです。グリーの名に恥じぬ演奏を心がけ団員を増やす先兵になる覚悟で頑張っていますのでご理解ください。準備の万全を期して先生の指導を仰ぐことも考えています。


 昨日のような練習を続けていけばグリーのハーモニーは復活できるという自信を得ることができたいい練習でした。今年はハーモニーの追及はもちろんのこと、新団員の勧誘を目指してみんなで頑張っていきましょう。

                     市原グリークラブ バス  桐田勝夫